鍵が壊れたり、うまく回らなくなったりしてしまったときは、「シリンダー」の交換を行います。
シリンダーとは、鍵の差込み口のことで、鍵交換とシリンダー交換はほとんど同じ意味です。
鍵の種類によっては、工具などの扱いに慣れていない人でも、比較的簡単にシリンダー交換ができます。
ただし、シリンダー交換の作業には、作業用の工具が必要です。
また、シリンダー交換の正しい順序ややり方を知っておかないと、鍵が正しく機能しなかったり、うまくつかなかったりといったトラブルに発展する可能性もあります。
この記事では、自分でシリンダーの交換を行う場合に必要な道具のほか、鍵交換の正しい順序とやり方について説明しています。
目次
シリンダーってなに?
シリンダーとは、鍵を差し込まれる側の本体のことで、形は円筒状です。
シリンダーの内部には、たくさんのピンがあり、すべてのピンの高さに合った鍵を差し込むことで、開錠や施錠ができます。
シリンダーには、マグネットを活用したものや、ピンの数が多くて防犯性に優れたものなど、様々な種類があります。
一方、鍵の中には、カードキーや暗証番号を入力するタイプのキーなど、シリンダーがないタイプの鍵もあります。
シリンダーがあるタイプの鍵は自分でも交換がしやすいほか、業者に依頼しても安価で対応してもらえることが多くあります。
詳しい鍵の種類については、「鍵の種類について解説!それぞれの特徴について」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
交換できるシリンダー(鍵)の種類
上でも紹介したとおり、シリンダーの中にも、自分で交換できるものとそうでないものがあります。
自分で交換できるシリンダー(鍵)の種類は、次の通りです。
- ディスクシリンダー
- キー(鍵)の両側がギザギザしている。すでに廃盤になっている
- ディンプルシリンダー
- キー(鍵)の形はストレートで、側面に不規則なへこみがある
- ピンシリンダー
- キー(鍵)の片側がギザギザしている
- ロータリーディスクシリンダー
- キー(鍵)の両側がギザギザしている。ディスクシリンダーの防犯性が高くなったもの
一般家庭で使用されている鍵の多くは、上記のうちいずれかのシリンダーを使っています。
ただし、ディスクシリンダーは防犯性が低く、既に廃盤になっているので、この機会にロータリーディスクシリンダーに変えるのをおすすめします。
シリンダーの種類によっては、自分での交換が難しいうえに、業者でも対応不可の場合もあります。
上記のシリンダーであれば、自分での交換ができるうえ、業者に依頼しても安価で済みます。
鍵を交換する場合は、まずはシリンダーの種類をしっかり把握することが大切です。
シリンダー錠の交換で必要な道具
シリンダー錠を交換するにあたり、必要なのは次の2つです。
- メジャー
- ドライバー
ドアの厚みや、シリンダーを取り付ける位置などを測る際に、メジャーが必要になります。
現在使用しているものと別メーカーの部品を購入する場合にも、サイズを測る等でメジャーがあると便利です。
そして、忘れてはいけないのが、ドライバーです。
シリンダー錠は、ビス(ねじ)などで固定されているため、取り外すにも取り付けるにも、ドライバーが必要になります。
ドライバーを用意する際は、ねじ穴の大きさに合ったドライバーを用意しましょう。
準備しておくもの
シリンダーの交換を行うには、新しい鍵が必要です。
新しい鍵を購入するには、現在ついている鍵のメーカーや型番をチェックする必要があります。
今ついている鍵のメーカーや型番をチェックするには、扉を開けて、扉の側面(壁と接する部分)をチェックしましょう。
扉の側面には鍵のプレートがあり、ほとんどの場合、鍵のプレートにメーカーや型番が刻印してあります。
鍵が複数あり、プレートが複数ある場合は、全てのプレートのメーカーと型番をチェックします。
今付いている鍵のメーカーと型番がわかったら、その鍵と同じ規格の鍵を探します。
現在ついている鍵と同じ規格であれば、「鍵を買ったのにドアに合わない」という事態を防ぐことができます。
逆に言えば、鍵の規格を考えずに鍵を購入した場合、ドアと合わず、取り付けができない可能性もあるのです。
鍵の型番やメーカーを調べるときは、同時に、鍵が扉からどのくらい離れているのかなどの位置関係も、メジャーを使って把握しておくのがおすすめです。
シリンダー(鍵)を交換する方法
シリンダーを交換する方法についてご紹介します。
まずは、次をご覧ください。
- ドアを開けて側面のプレートを外す
- カバー内部のピンを引っ張り出す
- シリンダーを外す
- 新しいシリンダーをドアにはめる
- ピンを差し込む
- 側面のプレートを取り付ける
- ドアを開閉して動作の確認
ここからは、上記の詳細を解説します。
1.ドアを開けて側面のプレートを外す
ドアを開けて、側面のプレートのねじを緩め、取り外します。
ねじを緩めている最中、ドアが安定せず作業しにくい場合は、ドアストッパーを活用すると、ドアが固定されて作業がしやすくなります。
ドアストッパーがない場合は、重いものを扉の内側と外側に置いておくなどして、ドアを固定させるとよいでしょう。
2.カバー内部のピンを引っ張り出す
カバーを固定しているプレートを取り外したら、ドアの内部にあるピンを抜きます。
このピンは、シリンダーをとめているもので、ピンを抜かなければシリンダーを取り外せません。
ピンを抜くときは、シリンダーを手でおさえながら、ドライバーを使って引き抜きましょう。
ドライバーではピンを抜きにくい場合は、ペンチなどを使うのがおすすめです。
3.シリンダーを外す
ピンを抜いたら、シリンダーも外します。
シリンダーは簡単に外れるので、落とさないように注意してください。
シリンダーを取り外すときは、慎重に作業を行ってください。
もし、足元に置いておいた細かい部品の上に落下してしまったら、部品が散らばってしまいます。
必要な部品を紛失してしまうかもしれません。
取り外したシリンダーは、作業の邪魔にならないところへ置いておきましょう。
4.新しいシリンダーをドアにはめる
新しいシリンダーをドアにはめて、おさえておきます。
ピンを差し込むまで、シリンダーは不安定ですので、ドアの隙間に落とさないように注意してください。
5.ピンを差し込む
しっかりとシリンダーをドアに押さえつけながら、ピンを差し込んでください。
ピンが差し込みにくい場合は、シリンダーの位置を微調整しながら作業するとスムーズに入りやすくなります。
ピンを差し込んだ後は、シリンダーが不安定になっていないか、指で押して確認しましょう。
6.側面のプレートを取り付ける
ドアの側面にプレートを取り付けます。
ビスでしっかりと固定しないと、スムーズに開閉ができなかったり、開閉時にプレートが外れてしまったりすることがあります。
固定した後に、軽く手で引っ張ってみるなどして、状態を確認してください。
7.ドアを開閉して動作の確認
最後に、ドアを開閉して、動作の確認をします。
ドアの開閉に問題がなければ作業は終了です。
もし、ドアを開閉してみたときに、「ドアの開閉がしにくい」「ドアが閉まらない」などの問題があれば、プレートを調整してみてください。
自分で鍵交換をする場合の注意点
自分で鍵交換をする場合、2つ注意点があります。
- 部品のサイズが大きい場合はやすりで削る必要がある
- ドアの内部に部品を落とさないように注意
購入した部品のサイズが大きい場合は、やすりで削る必要があります。
同じ規格の部品を購入しても、前回使用していた部品と、大きさが異なることがあります。
必要に応じて、自分で部品のサイズを調整しなければなりません。
また、ドアの種類によっては、内部にすき間がある場合があります。
シリンダーで必要な部品を、ドアの内部に落とさないよう、注意してください。
プレートを取り外すと、長方形の取り付け穴があります。
ビス(ねじ)などの細かい部品をこの穴に落としてしまう可能性があるので、慎重に作業しましょう。
難しい場合は業者に依頼しよう
自分でシリンダー交換に挑戦してみたものの、途中で「やっぱり難しい」と感じることがあるかもしれません。
自分でシリンダーを交換するのが難しいと思ったら、無理をせず、業者に相談をしましょう。
作業途中であっても、シリンダーを交換してもらうことができます。
無理に自分で交換してしまうと、慣れない作業で怪我をしたり、シリンダーやドアを壊したりしてしまうかもしれません。
必要に応じて、業者への依頼を検討してください。
賃貸物件のシリンダーを交換するには
賃貸物件のシリンダーを交換する場合、まずは大家さん、もしくは物件を借りる際に契約した不動産管理会社に、シリンダー交換したいことを伝えてください。
契約内容によっては、勝手にシリンダーを交換すると、契約違反になってしまうこともあるので、大家さんや、不動産管理会社への連絡・確認は必須です。
勝手に賃貸物件のシリンダーを交換してしまうと、大家さんや管理会社とトラブルになってしまう可能性があることを知っておいてください。
まとめ
今回は、自分でシリンダーを交換する方法についてご紹介しました。
シリンダーはシンプルな構造ですので、専門的な知識がない方でも交換しやすいタイプの鍵といえます。
実際、業者への依頼費用節約のために、自分でシリンダーを交換している方も少なくありません。
とはいえ、人によっては「細かい作業が苦手」という方もいらっしゃいます。
本ページをご覧になって「自分には難しそう」と感じた場合は、専門業者に依頼しましょう。
無理なく正しい方法で、シリンダーの交換をしてください。