自宅で古い鍵を使っている場合、空き巣被害に遭う危険性が高くなります。
なぜなら、古い鍵は防犯性が低く、簡単に開けられてしまい空き巣に侵入される可能性が高いからです。
もし現在古い鍵を使っている方がいれば,空き巣被害に遭う確率を下げるためにも、自宅の鍵は防犯性の高いものに交換することが大切です。
この記事では、鍵の防犯対策の必要性から防犯性の高いおすすめの鍵まで紹介していきます。
また、鍵以外での防犯対策についても説明しているので、是非参考にしてみてください。
防犯性が低い鍵の特徴
住宅の侵入窃盗は、平成30年には31,505件ありました。
平成16年以降は徐々に減少していますが、少ない数ではありません。
警視庁のデータを見ると、その中で特に被害を受けているのが一戸建て住宅です。
侵入窃盗の42.5%が一戸建て住宅で発生しています。
そして、侵入手口で一番多いのが空き巣です。
これは、35.3%と全体のおよそ3分の1を占めます。
このことからも、一般の住宅に利用されている鍵は、空き巣が解錠しやすいものが多いと予測されます。
そのため、自宅の防犯性を高めるためにも、防犯性の低い鍵はどのような特徴があるのかを知ることが大切です。
以降で、防犯性の低い鍵の3つの特徴を見ていきましょう。
シンプルなディスクシリンダーやピンシリンダータイプ
国内の住居で最も多く利用されている、鍵山がギザギザになったタイプの鍵には、「ディスクシリンダー錠」やピンが一列に並んだタイプの「ピンシリンダー錠」があります。
そして、これらの鍵は、作りもシンプルで防犯性が低く注意が必要です。
作りが単純だと、修理も簡単で交換も容易に行えますが、反面、耐ピッキング性能は下がります。
そして、これらの鍵は最も簡単にピッキングできるタイプの鍵なので、慣れた空き巣だと、5分もあれば解錠できます。
そのため、自宅の鍵にこれらのタイプの鍵を使用している場合には、交換したほうがよいでしょう。
ワンドア・ワンロックのみ
空き巣は、侵入するのに時間がかかることを嫌います。
侵入に時間がかかると、住人が帰ってきてしまう可能性がありますし、ほかの人に見つかってしまう確率も上がるためです。
そのため、空き巣は、鍵が2つ以上付いているドアより、鍵が1つだけのドアを選ぶでしょう。
単純に考えても、鍵が2つに増えると解錠するための時間は倍かかることになります。
したがって、鍵が多くついているドアほど、空き巣が侵入することを諦めさせるのに効果的です。
古い鍵・劣化や破損のある鍵
10年を超えるような古い鍵は注意が必要です。
なぜなら、その頃の鍵は防犯性の低いものが多く出回っており、ピッキングの被害に遭う可能性が高くなるためです。
また、鍵は古くなってくると経年劣化し、使い続けているうちに破損することもあります。
そのため、鍵が鍵穴に入りにくくなったり、鍵を回しにくくなったりします。
さらに、鍵穴の中に埃やごみがたまると、スムーズに鍵が回せなくなります。
このように、古い鍵を使い続けると鍵を開けられなくなる可能性もありますし、空き巣犯にも狙われやすくなります。
したがって、古い鍵を使い続けることはおすすめできません。
防犯性の高い鍵の選び方
侵入するための時間が10分以上かかる場合には、ほとんどの空き巣が侵入を諦めます。
また、5分以上かかると判断した場合には、7割が諦めると言われています。
ここでは、新しい鍵の取り付けの前に、どのような鍵が防犯性能が高いのか鍵の選び方を知って、最適な鍵を選べるようにしましょう。
防犯性が高い鍵の種類は「ディンプルシリンダーキー」
数億通りものパターンが存在する「ディンプルシリンダーキー」は、複製にも特殊な機械が必要で、ピッキングに強く防犯性が高いとされています。
鍵穴は縦型になっており、キーの側面は丸や楕円形のくぼみが多数あります。
そして、シリンダー内のピンが複雑にくぼみの形状にそって差し込むようになっています。
また上下の区別がなく、どちらを差し込んでも解錠できるので、暗い所でも簡単に解錠できることも特徴です。
CPマークの付いている鍵が安心
CPマークとは、平成16年4月1日に公開された「防犯性の高い建物部品」に付けられるマークです。
このマークが付けられたものは「防犯建物部品」といい、官民合同会議の防犯性試験に合格しています。
そのため、このCPマークが付いている鍵なら、防犯性の高さが認められたものなので安心です。
防犯性の高い鍵を選ぶ時には、このマークが付いているかを確認するとよいでしょう。
指紋認証型など複雑な構造の鍵も有効
通常の鍵穴に差し込む鍵とは違ったタイプの鍵もあります。
指紋認証型の鍵はそのうちの一つで、指紋を照合して解錠します。
そのため、鍵を持ち歩く必要がないので、紛失や破損の心配がなく、複製もされにくいです。
また、暗証番号を利用するタイプの鍵もあります。
このタイプの鍵も、解錠には暗証番号を入力するだけなので、鍵を持ち歩くことはありません。
ただし、暗証番号を人に知られないようにする必要があります。
こうした複雑な構造の鍵は複製が困難なため、防犯性に優れているといえるでしょう。
ワンドア・ツーロックもおすすめ
誰にでも気軽にできる防犯対策が、補助錠の取り付けです。
ドアに1つしか鍵が付いていない場合には、補助錠を付けるとより防犯性が高くなります。
補助錠の取り付け位置は、力が入りにくいドアの上のほうがおすすめです。
さらに、この補助錠を暗証番号タイプなどの防犯性の高いものにすると、より効果的です。
また、鍵が2重についていることが外部から認識できると、侵入に時間がかかるとわかるため、空き巣の侵入の抑制にもつなげられます。
防犯性の高いおすすめの鍵5選
ここでは、どのような鍵が高い防犯性を持つのかを理解した上で、おすすめの鍵を5つ紹介します。
- 低価格なディンプルキー「カバエース」
- 鍵登録システムで不正コピーを防止できる「カバスターNEO」
- 最高クラスの防犯性能を持つ「アルファFBロック」
- ユーザーの評価が高い「ゴール V-18」
- リバーシブルで扱いやすい「MIWA PRシリンダー」
上記の鍵は、低価格で自分でも交換でき、防犯性が高いものを選んでいます。
1. 低価格なディンプルキー「カバ・エース」
ディンプルキーの中でも、比較的低価格で手に入れられる「カバ・エース」は、世界中にシェアを持つKABA社の製品です。
マスターキープランが採用されているので、集合住宅などでオートロックを利用しているケースでも取り付けが可能です。
また、耐ピッキング性能も10分以上と高い防犯性があります。
鍵は、中身だけを交換できるタイプなので、賃貸物件にもおすすめです。
リバーシブルタイプの鍵ですり鉢状の先端なので、女性や子供でもスムーズに解錠できます。
2. 鍵登録システムで不正コピーを防止できる「カバ・スターネオ」
KABA社独自の鍵の所有者を登録するシステムを使い、鍵の不正コピーを防止できるという特徴がある鍵です。
斜めにピンが刺さる複雑な構造で、2兆2千億通りもの鍵のパターンがあります。
耐ピッキング性能も10分以上、耐鍵穴壊し性能も10分以上と、とても防犯性能が高いです。
鍵の上下がないリバーシブルタイプの鍵で、先端はすり鉢状になっていて差し込みしやすくなっています。
鍵の複製には、登録証に登録された人の署名と捺印が必要です。また、鍵は5本付いているので家族で使うのに適しています。
3. 最高クラスの防犯性能を持つ「アルファFBロック」
CP-C認定マークの付いた、防犯性能の高いディンプルタイプの鍵です。ピンが斜めや水平から刺さるようになっていて、1,300億通りもの鍵のパターンがあります。
先端にフローティングボール(約直径1mmのスチール製のボール)が埋め込まれており、より複雑な構造になっているため、鍵の複製が困難でピッキングにも強いことが特徴です。
また、合鍵を作る場合には、購入時に付属されているセキュリティカードの提示が必要で、このカードの提示があった場合のみメーカーでの複製ができます。
世界最高水準のこの鍵は価格が高めですが、より高い防犯性能を持つ鍵を希望の場合には、おすすめの鍵です。
4.ユーザーの評価が高い「ゴール V-18」
老舗の鍵メーカーであるゴールが独自に開発した、ディンプルタイプのシリンダーキーです。
一戸建て住宅や集合住宅など、国内の住居で多く利用されています。
ピッキングにも強く、ドリルでの鍵穴を防ぐための防止版などがついており、強度も耐久性も十分にあります。
比較的安価で売られており、鍵の複製がしやすいことが特徴です。
差し込みやすいリバーシブルタイプの鍵なので、家族での利用に適しています。
また、アフターメンテナンスサービスがあるので、安心して取り付け可能です。
5.リバーシブルで扱いやすい「MIWA PRシリンダー」
業界NO.1のシェアを誇るMIWAロックの、CP認定された安心のシリンダータイプの鍵です。
ピッキングが難しいとされる、ロッキングバーとアンチピッキングタンブラーを使ったタイプです。
また、シリンダー内部の部品には高硬度の部品を使っているため、ドリルでの破壊に対する耐性も高くできています。
耐ピッキング性能は10分以上で、耐鍵穴壊し性能は取り付け場所に合わせて、最適なものが3つのグレードから選べます。
リバーシブルタイプの鍵なので、鍵を差し込む時に持ち替えずに差し込めて、とても操作性が高いことが特徴です。
鍵交換の費用相場と知っておくべきこと
ここまで、防犯性の高いおすすめの鍵を紹介してきました。
自宅の鍵を防犯性の高い鍵に交換しようと思っている方は、鍵の交換費用について気になりますよね。
ここでは、鍵を交換する際にかかる費用の相場を紹介します。
高い防犯性を追求するあまり、高額なものを買ってしまわないためにも、料金相場を知っておくとよいでしょう。
また、鍵交換において事前に知っておくべきことについても説明していきますので、是非参考にしてください。
鍵交換にかかる費用の相場
鍵交換や合鍵の作成にかかる料金相場は以下の表になります。
内容 | 種類 | 料金 |
---|---|---|
鍵交換 | 防犯性の低い鍵(ピンシリンダーキーなど) | 5,000〜17,000円前後 |
防犯性の高い鍵(CPマークの付いたディンプルキーなど) | 10,000〜35,000円前後 | |
鍵交換の出張・作業費(プロに鍵交換を依頼した場合) | 10,000〜20,000円前後 | |
合鍵の作成 | ピンシリンダーキーなど | 500〜1,000円 |
ディンプルキーなど | 2,000〜5,000円 | |
鍵開け(鍵を紛失した際の解錠・施錠) | 10,000〜20,000円 | |
修理 | 10,000円〜 |
鍵の交換や合鍵の作成は、鍵の構造が簡単なものほど費用は安く済みます。
しかし、構造がシンプルな鍵は解錠しやすいものが多く、空き巣被害にあう可能性が高くなります。
ですので、空き巣被害にあわないためには、防犯性が高いものを選ぶ必要があります。
しかし、鍵は高額なものもあるため、まずは相場価格を知り、防犯性が高くて価格も適切な鍵を選ぶようにしましょう。
自分で鍵交換できない場合は無理せず業者に依頼すべき
自分で鍵交換できるか不安に思う方は、無理せず業者に鍵交換を依頼すべきです。
費用を抑えるために自分で鍵交換を行う人も少なくはありません。
ですが、慣れない鍵交換を無理して行うと、以前より悪い状態になることも考えられます。
例えば、鍵の位置がずれてしまい、鍵をスムーズに回せなかったり、鍵が破損してしまったりすることがあり、余計なトラブルを招くこともあります。
また、自分で鍵を交換する際には多くの種類の中から適切な鍵を選ぶ必要があり、知識がないと戸惑ってしまいます。
そのため、鍵の交換に少しでも不安を感じるようであれば、無理せず業者に依頼して取り付けてもらいましょう。
賃貸住宅の場合には大家さん・管理会社に必ず相談する
賃貸住宅で鍵交換を行う場合には、事前に管理会社や大家さんに了承を得る必要があります。
なぜなら、賃貸の場合は部屋だけでなく、鍵も借りていることになるためです。
また、鍵を交換した場合、退去時には原状回復しなければならない場合もあるので注意が必要です。
集合住宅の場合には、作業時の音にも気を配り、交換の際にドアに傷がつかないように気をつけてもらいましょう。
鍵交換以外にも有効な防犯対策
防犯性を高めるためには防犯性の高い鍵に交換することが効果的ですが、鍵以外の防犯対策も鍵以外の防犯対策を行うことでより防犯性は高くなります。
鍵以外で有効な防犯対策は以下の通りです。
- 窓に防犯ガラスを導入する
- 玄関や庭にセンサーライトを設置する
- 家の周囲に砂利を敷く
- 庭の木は低木に限定する
- フェンスや塀は見通しのよいものにする
それぞれの防犯対策方法について詳しく見ていきましょう。
ご自宅に合った防犯対策があればぜひ試してみてください。
窓に防犯ガラスを導入する
窓に防犯ガラスを導入することは、窓の防犯対策として効果的です。
防犯ガラスとは、割れにくさに特化したガラスのことです。
防犯ガラスはハンマーで叩いても割れにくく、穴が空きにくい構造になっています。
防犯ガラスが設置されている家は、割って侵入するのに時間がかかるため、空き巣被害に遭いづらくなります。
防犯ガラスの導入をお考えの方は「防犯ガラスの特徴とガラスの防犯対策を徹底解説」で防犯ガラスについて詳しく紹介しているので是非参考にしてみてください。
玄関や庭にセンサーライトを設置する
玄関や庭にセンサーライトを設置することも、空き巣などの侵入を抑止するのに役立ちます。
センサーライトは、人の動きなどに反応して点灯するものです。
一戸建ての玄関やガレージなどで使用している人も多く、急にライトが付いて照らされるので、侵入者はその光に驚きます。
明かりによって人の存在を知らせることになるので、空き巣犯などはこのセンサーライトがある家を避ける傾向にあります。
家の周囲に砂利を敷く
家の庭に砂利を敷くことも、防犯対策としてはとても効果的です。
砂利には防犯用の砂利があり、人が砂利の上を歩くと音が出て、その存在を知らせてくれます。
こうした防犯砂利を、人目のつきにくい家の裏側などに敷いておくと、空き巣対策にはよいでしょう。
庭の木は低木に限定する
庭に木がある一戸建ての場合、庭木を低木に限定することも防犯対策の一つです。
空き巣犯は、人に見られることを嫌います。
そのため、見通しのよい所よりは、木々が茂っていて玄関回りが見にくい家や、玄関先に違法駐車がある家などを選ぶ傾向にあります。
庭の木を低木にすれば、空き巣犯が身を隠しづらくなり、侵入される可能性も低くなります。
したがって、庭や玄関回りに木がある、または植える予定がある場合には、背丈の低いものにして、できるだけ視線を遮るものを置かないようにしましょう。
フェンスや塀は見通しのよいものにする
上記と同じ理由でフェンスや塀も出来る限り見通しのよいものにしたほうが良いでしょう。
防犯目的で家の周りに塀やフェンスを設置している家も少なくないと思います。
しかし、ブロック塀のように、中の様子がうかがえないものは注意が必要です。
一旦侵入してしまえば外から見えなくなってしまうような塀では、見通しが悪くなり空き巣犯に狙われやすくなります。
そのため、見通しの悪い塀やフェンスを設置している場合には、できるだけ見通しがよいものに交換したほうが良いでしょう。
鍵の防犯性を高めて安全・安心な生活を送ろう!
このページでは、防犯性の高い鍵の必要性と防犯におすすめの鍵について紹介しました。
自宅の鍵の防犯性が低いと、空き巣被害に遭う可能性も高くなってしまいます。
空き巣被害を防ぐためにも、防犯性の高い鍵への交換を検討してみてください。
鍵の交換は、専門の業者に依頼すれば適切な鍵を選んでもらえますし、しっかりと取り付けてもらえます。
少しでも今の鍵に不安があるなら、業者に依頼して鍵を交換し、安心して暮らせるようにしましょう。