鍵の取り付けや交換をする際に気になるのが、鍵の種類ですよね?
一口に「鍵」といっても、その種類は非常に多く、それぞれ特徴も大きく異なります。
人それぞれ最適な鍵の種類が異なりますので、あなたが求める機能を備えるカギを選ばなければなりません。
そこで、このページでは鍵の種類について解説します。
それぞれの特徴をチェックし、あなたの求める鍵を探してみてください。
目次
一般的な鍵の種類と特徴
鍵の種類を知る前に、まず知っておきたいのは、鍵の部位についてです。
一般的な鍵は、以下の2つの部位が組み合わさってできています。
- シリンダー
- タンブラー
シリンダーとは鍵穴のことを意味し、正確には「錠前」といいます。
円筒状に見えるので、シリンダーと呼ばれます。
タンブラーとは、シリンダーの中の障害物を意味します。
障害物の状態に合った形の鍵(キー)を差し込まなければ、開錠・施錠することができません。
鍵の名前にシリンダーやタンブラーという言葉が出てきますが、それぞれ違う部位のことを差していますので注意しましょう。
では、具体的に鍵の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
一般的な鍵は、以下のような種類があります。
- ディスクシリンダー錠(ウェハータンブラー錠)
- ディンプルシリンダー錠
- ピンシリンダー錠(ピンタンブラー錠)
- レバータンブラー錠
- ロータリーディスクタンブラー錠
- マグネットタンブラーシリンダー錠
- プッシュプル錠
「名前だけでは、どんな種類か想像もつかない」という人も多くいると思いますので、ここからは、1つ1つの鍵の種類について詳しく紹介していきます。
ディスクシリンダー錠(ウェハータンブラー錠)
ディスクシリンダー錠は、ウェハータンブラー錠とも呼び、一昔前の一般的な鍵です。
鍵(キー)はギザギザした形状ですので、「これはディスクシリンダー錠かな」と目安が付けやすいでしょう。
本来鍵は、シリンダーと呼ばれる鍵穴が回転することによって、開錠・施錠します。
ディスクシリンダー錠の場合、障害物となる数本のピンが設けられています。
それぞれのピンすべての高さに合う鍵を差し込むことで、ディスクシリンダーを回転させることができるようになり、施錠・開錠ができるのです。
現在、ディスクシリンダー錠はセキュリティ面に問題があるとして廃盤になっていますが、今でも古い建物や、倉庫で使用されていることがあります。
ディンプルシリンダー錠
ディンプルシリンダー錠は、ピッキングに強い鍵です。
鍵(キー)はギザギザではなくストレートな形状ですが、不規則なへこみがあります。
ディンプルシリンダーの内部は、ピンの列が複数本あります。
ピンが数本しかないディスクシリンダー錠よりも不正開錠しにくいという特徴があります。
ディンプルシリンダー錠は、内部のピンに合った鍵を差し込むことでピンが押し上げられて、そのピンの高さが均一になるとシリンダーを回すことができます。
ピンシリンダー錠(ピンタンブラー錠)
ピンシリンダー錠は、ディスクシリンダー錠と同じように、シリンダー内部にピンの列がある鍵です。
ディスクシリンダーと違う点は、鍵の形状とタンブラーの構造です。
鍵の形状は、ギザギザがカギの両側ではなく、片方についています
またタンブラーはディスクシリンダーよりも複雑な構造で、ピッキングには強いとされています。
上述したディンプルシリンダーと同じく、ピンシリンダー錠は鍵(キー)をシリンダーに差し込むことで、高さがバラバラのピンを均一の高さにします。
ピンの高さが均一になることで、シリンダーが回転できるようになり、鍵(キー)を回転させることで、開錠・施錠ができるのです。
しかし、シリンダー内のピンの列が1本しかありませんので、ディンプルシリンダーと比較すると、防犯性に劣るのが難点です。
レバータンブラー錠
レバータンブラー錠とは、非常に古い鍵のひとつで、棒状の金属に突起物がついている形が特徴です。
レバータンブラー錠の鍵穴の中には、板状のタンブラー(障害物)があります。
タンブラーに合った鍵(キー)を差し込んで回転させることで、タンブラーも一緒に回転し、デッドボルト(ロックの役割を果たす部品)が突出したり、引っ込んだりします。
デッドボルトが突出したら施錠、デッドボルトが引っ込んだら開錠となるのです。
現代の家ではほとんど使用されていませんが、机の引き出しや、古い家屋で使われていることがあります。
ロータリーディスクタンブラー錠
ロータリーディスクタンブラー錠とは、ディスクシリンダーを改良した鍵のことです。
鍵(キー)は、2方向がギザギザしていますので、一見ディスクシリンダーと見間違うこともあります。
タンブラーには、偽物の鍵(キー)を差し込んでも、鍵穴が回転しないようにするロッキングバーが入っています。
C字型をしたタンブラーが複数組み合わさり複雑な動きをすること、正しい鍵(キー)を差し込むことではじめてロッキングバーが降りて鍵(キー)を回せることから、防犯性が高い鍵として知られています。
マグネットタンブラーシリンダー錠
マグネットタンブラーシリンダー錠とは、ピンシリンダー錠にマグネットを活用したもののことです。
鍵(キー)はピンシリンダー錠のように、ストレートで不規則なへこみがあるのが特徴ですが、中にはへこみがないものもあります。
シリンダー内のピンそれぞれがランダムにS極・N極となっていて、鍵(キー)もまたそれに対応した部分で反発する極でなければ、ピンが正しい位置に動いてくれません。
このため、ピッキングに非常に強い鍵で、防犯性の高さは十分に期待できるといえます。
しかし、ピン側もしくは鍵(キー)側の磁力が失われたり弱ったりすると、施錠・開錠ができなくなってしまうことがあります。
プッシュプル錠
プッシュプル錠とは、ハンドルを押す、もしくはハンドルを引いて、ドアを開閉するものです。
ハンドル本体の上下、もしくは独立した形でシリンダーを付けるのが一般的です。
上下異なるタイプのシリンダーを取り付けることもできますので、防犯に役立つ「1ドア2ロック」を実現しやすいのが特徴です。
特殊な鍵の種類と特徴について
ここからは、次の4つの特殊な鍵の種類と、特徴について解説します。
- カード錠
- 暗証番号錠
- 生体認証錠
- リモコンキー
それぞれどのような特徴があるのか、見ていきましょう。
カード錠
カード錠とは、文字通り「カードが鍵(キー)」となったものです。
しかし、一口に「カード錠」といっても、開錠・施錠方法が異なります。
鍵(キー)の認識方法が磁気、ICチップ、物理的な穴など、いくつかのパターンがあるのです。
カードを近づける、カードを差し込んで開錠・施錠するという使い方をします。
暗証番号錠
暗証番号錠とは、あらかじめ設定した暗証番号を入力することで開錠できる鍵のことです。
暗証番号が第三者に知られない限り、不法侵入などの犯罪リスクが低いのが特徴です。
上述したカード錠が搭載されている暗証番号錠もありますし、おサイフケータイに対応したものまであり、便利さと安全を求めたい方におすすめです。
ただし、暗証番号を忘れてしまうと開けられなくなってしまうため、注意が必要です。
生体認証錠
生体認証錠は、指紋認証や顔認証、静脈認証などで開錠する鍵のことです。
あらかじめ、生体認証錠に指紋や顔、静脈など、機器に適したものを登録しておき、開錠したいときに照合させます。
複数人を登録できる生体認証錠もありますので、物理的な鍵(キー)がなくても家族すべての人が開錠できます。
子供に鍵を持たせるのが不安、という方でも安心です。
リモコンキー
リモコンキーは、リモコンの操作によって、鍵の開錠・施錠ができる鍵です。
赤外線やFM波を使い、鍵(キー)側から開閉の指示を出します。
主に、リモコンキーは車で使用されていますが、シャッターにも採用されています。
リモコンキーは、さまざまなシーンで活用される鍵の種類です。
玄関以外の鍵の種類と特徴
玄関以外の鍵の種類は、主に、次の4つです。
- インテグラル錠
- 円筒錠
- シリンダー箱錠
- 南京錠
それぞれの詳細について、詳しくご紹介します。
インテグラル錠
インテグラル錠とは、主に勝手口で使用される鍵のことです。
取っ手の内部にシリンダーが搭載されていて、シンプルな構造をしています。
ラッチボルトとデッドボルトが別々にあるのが特徴です。
ラッチボルトとは、扉が風や立て付けの悪さなどで、勝手に開閉しないように取り付けられた部品のことです。
ラッチボルトの場所は、扉の側面で、ドアノブと同じ高さに位置しています。
形状は三角形が多く、開閉の動作に合わせて、突出したり引っ込んだりします。
また、デッドボルトとは、鍵をかけたときに突出する部品のことで、ラッチボルトの近くにあるのが一般的です。
デッドボルトが突出することで、ドアノブを回しても扉が開きません。
主に、握るタイプや、レバータイプのドアノブで採用されていて、勝手口以外に玄関でも使用されることがあります。
円筒錠
円筒錠とは、風呂場の鍵として使用されることが多いものです。
円筒錠は、かつて住宅の玄関の鍵として使用されていた種類ですが、防犯性に問題があることから、近年は室内錠としての使用が主です。
内側からの操作は、ドアノブ中心部の押しボタンを押して施錠、ドアノブを回せば鍵が開きます。
外側からは、鍵(キー)を使って開け閉めをします。
シリンダー箱錠
シリンダー箱錠とは、防犯性が高い鍵のことで、主に会社や店舗の出入り口に使用されます。
デッドボルト部分が箱のような形状をしていることから、「シリンダー箱錠」と呼ばれます。
単純にシリンダー箱錠だけで取り付けられることもありますが、勝手に開閉しないようドアノブと直結したラッチボルトを別に取り付けるのが一般的です。
単純に、鍵だけの交換をすることができないので、自分で取り替えるには難易度が高い鍵です。
南京錠
南京錠とは、持ち運びできる錠前本体を指します。
南京錠は、扉だけではなく、金庫、棚の引き出し、自転車盗難防止チェーンなど、多くの場所に使用できます。
さらに、南京錠は開閉の方法もいくつかあり、「鍵を差し込むタイプ」「ダイヤル式」「指紋認証タイプ」などがあります。
まとめ
このページでは、鍵の種類と、それぞれの特徴について解説しました。
鍵には、さまざまな種類がありますので、それぞれの特徴を把握したうえで、適切に選ぶことが大切です。
使う場所や生活スタイル、どんな機能が必要なのかに応じ、適した鍵は異なります。
セキュリティ面から考えなければならないこともあるでしょうし、利便性を追求したいこともあるでしょう。
各種条件を丁寧に検討し、適した鍵を選んでください。